あまねの心理師への挑戦

現在放送大学で心理学を学んでいます。 メンタル心理カウンセラー取得。上級心理カウンセラー取得。

心理学実験を体験しよう1。

あまねです。

今回は、すぐできる心理学実験をしてみようと思います。

肩の力を抜いて、気楽に楽しんで行ってみてください。

実際に私も実習の時に行った実験です。

 

《実験1》

あなたは、覆面調査員です。

あるレストランで、お客様に提供されいるドリンクのうち、アルコールが未成年者に提供されていないかを調べるのが仕事です。

しかし、覆面調査員であるあなたは、お店はもちろん、お客様にもばれないように調査をしないとなりません。

 

今わかっている情報は下記のとおりです。

・店内には4名のお客様

・うち2人には「ビール」と「コーラ」が提供されました

・後2人は大学生の先輩と後輩(4年生(22歳)と1年生(19歳))の関係です

 

この情報をもとに、必要最小限の聞き込みで、アルコールが未成年者に提供されていないかを調べてください。

 

わかりやすくするために、まとめます。

①ビールを飲んでいる人・・・?歳

②コーラを飲んでいる人・・・?歳

③?を飲んでいる人・・・22歳

④?を飲んでいる人・・・19歳

 

飲み物が分かっている人は、年齢が分からず、年齢が分かっている人は飲み物が分からない状態です。

あなたなら、必要最小限の聞き込みで、①~④の誰に話しかけますか?

 

《解答》※自分なりの答えを導いてからスクロールしてください

答えは、簡単ですよね。

そう。

①のビールを飲んでいる人の年齢を確認すること。

④の未成年のお客様の飲み物を確認すること。

この2つが、必要最小限の聞き込みになります。

 

②のコーラを飲んでいる人は、成人でも、未成年でも構いません。

③のお客様も、同様にアルコールでも、ジュースでも構いません。

 

①と④が確かめなければならないお客様ですね。

 

で、このどこが心理学実験なの?と思った方。

実は、もう一つ実験を用意してあります。ご安心ください。

 

《実験2》

4枚のカードがあります。

片面には動物のイラストが書いてあり、もう片面には数字が書いてあります。

 

カードは片面しか見ることが出来ません。

以下の条件に合うカードを必要最小限の枚数を裏返すことで、確認してください。

 

・哺乳類のカードの裏側には、奇数の数字が書いてある

 

現在のカードは、以下の通りです。

①うさぎ・・・?

②かめ・・・?

③4・・・?

④1・・・?

 

哺乳類のカードの裏側には奇数の数字が書いてあるという条件にこの4枚のカードが当てはまっているかどうかを調べます。

裏返すのは何枚でも構いません。ただし、必要最小限のカードで答えを導いてください。

実験1と同じような実験ですが、今度は簡単に答えが導き出せたでしょうか?

 

《解答》※自分なりの答えを導いてからスクロールしてください

今回は、ちょっと悩んでしまったのではないでしょうか?

 

正解は・・・

①と③のカードです。

 

この実験は、極端に正解率が低いことでも有名な実験です。

私が実際に行ったときは、3%の正解率でした。

なので、もし外れてしまったとしても、気にすることは全くないです。

 

一番多く導かれる答えは

①と④(もしくは①と③と④)です。(この回答で70%近かったです)

どうしても④が選択肢から外せない傾向にあるようです。

むしろ、なぜ④を調べなくても良いのかって思われている人もいるかもですね。

 

ぬぐい切れない「確証バイアス」の存在

確証バイアスとは、正しいと思うことに意識が向けられて、否定的な方は無視してしまうという、心理学の専門用語です。

実験2の場合、条件として出されているのは「哺乳類のカードの裏には奇数の数字」なので、

 

哺乳類=奇数

 

をであることを確かめればよいわけです。

ここで、注目なのが、④の「1」の存在です。

「1」は奇数なわけなので、裏には「哺乳類」があると思ってしまいますよね。

そう!ここが「確証バイアス」なのです。

条件には、確かに哺乳類の裏は奇数とありますが、奇数の裏は哺乳類とは一言も書いてないのです。ひっかけ問題でも何でもないですよ。

なので、実験1のように考えてみると

 

①うさぎ=哺乳類なので、裏が奇数か確認が必要

②かめ=哺乳類ではないので、裏は奇数でも偶数でも構わない

③4=偶数なので、裏が哺乳類じゃないか確認が必要

④1=奇数だけど、裏が哺乳類じゃなくても構わない

 

という風にまとめることが出来ます。

 

人は、

「〇ならば×である」という思考は簡単にできますが、

「〇でなければ×ではない」という否定の思考は難しいようです。

何故なら、普段の生活の中で、使用しないからです。

普段使用していないため、考える時にも頭の中にそういう考えが浮かばないのです。

 

しかし、実験1のように、日常生活に密着しているような条件の場合は、自然と間違えずに答えを導くことができるんです。すごいね。

でも、実験2のような抽象的な条件になってしまうと、とたんに思考がフリーズしてしまいます。そのため、実験1・2とも同じような問題だったにもかかわらず、正解したり、間違ってしまったりしてしまうのです。

 

ちょっと難しかったかもしれないですね。

でも、個人的にはとても面白い実験だったので、今回紹介させてもらいました。

 

確証バイアスは、日常様々な所で無意識に私たちの生活に影響を与えています。

ここでは詳しくは書きませんが(超長くなってしまうため)、気になる方は、サイトで検索してみてください。多分沢山出てきます。

 

この確証バイアスを使った楽しいものと言えば、「手品」です。

そして、楽しくないものは「振り込め詐欺」です。

どちらも人の心理を理解したうえで行っている行為なのに、喜ばせたり悲しませたり・・・。

 

これを読んでくれている方は、どうか楽しい方に使ってくださいね。

 

次はどうしようかな?錯覚とか興味ありますか?

それとも動物の体毛のお話の方が良いですか?

 

何かご意見ありましたら、お気軽にお話しください。

 

読んでくれてありがとうございました。