あまねの心理師への挑戦

現在放送大学で心理学を学んでいます。 メンタル心理カウンセラー取得。上級心理カウンセラー取得。

確証バイアスと詐欺。

あまねです。

 

今回は確証バイアスのお話です。

 

以前行った4枚のカードの実験でもお話したように、

人は否定することが得意ではないのです。

否定することが得意でないのと、タイトルの詐欺とどうつながるのかというと、

ひとつづつ検証していきましょう。

 

今回例とするのは、「オレオレ詐欺(電話)」です。

各方面の努力もあって、減ってきてはいるとはいえ、年間でまだまだ

相当な被害者がいますよね。

 

被害者たちは、どうして詐欺を見破れなかったのでしょうか?

 

1.電話がかかってくると・・・。

まず、家の電話が鳴ると大抵の人は、

 

「自分の知っている人からかかってきた」

 

と思います。

それは、知ってる人からの電話の方が、知らない人からの電話よりも圧倒的に回数が多いからです。

そして、知ってる誰かからの電話と思って電話に出ます。

 

はい。これが第1の「確証バイアス」です。

 

 

2.受話器の向こうから「オレ」。

知っている人からかかってきたと思っている電話に出たら、受話器の向こうから

 

「オレだけど・・・」

 

という声。

本来ならば、「オレ」だけでは誰かは分かりませんよね?

でも、思ってしまうのです。

「オレ」と名乗るということは、「自分の知っている人である」と。

元々知っている人からと思っている電話を取っているので、

「オレ」の一言で「自分の知っている人である」という考えが正しかったと思い込んでしまうのです。

 

そして、その「オレ」の声の中から、「誰の声だっけ?」と声の主を探します。

本当は聞いたことがない声であっても、探してしまうのです。

「あなたは誰ですか?」なんて、失礼と思って尋ねられなくなってしまうのです。

 

これが弟2の確証バイアスです。

 

3.最も身近に感じさせるとどめの一言。

「誰の声かな?」って返事を躊躇している被害者に、声の主はとどめの一言を発します。

 

「かあさん」「ばあちゃん」など。

 

そう。被害者のことをそう呼ぶのは、家族だけです。

ここで声の主が誰だかだいたい絞られてきます。

 

「長男かな?」「次男かな?」「孫かな?」

 

でも、なんかいつもと声が違う。違和感を感じます。

話し方も、自分を呼ぶ声もなんか違う。

 

それでも電話の向こうからは、自分を呼ぶ声がする。

 

しばらく会ってなかったし・・・

最近風邪が流行っているから・・・

 

こう、被害者は声の違和感を否定するような「言い訳」をしてしまいます。

ここが、被害に遭うか合わないかの分岐点です。

 

自分の感じる違和感を「否定」せず、「肯定」しようと「言い訳」を考えてしまう。

これこそ、確証バイアスそのものなのです。

 

ここで、自分の違和感に素直に従えば、詐欺に引っかからずに済むかもしれません。

 

大切な子供や孫からのSOSです。

冷静に考えればばからしい手口でも、

「まさかうちの子が私に嘘をつくなんて!」って、また確証バイアスが

働いてしまうのです。

 

確証バイアスの無限ループですね。

 

4.確証バイアスはいつでもあなたと一緒にいます。

今回は詐欺に引っかかってしまう心理を、確証バイアスという言葉を使ってお話しました。

でも、確証バイアス自体は人の中に必ずあるもので、それから逃れることは本当にできないことなのです。

それは、あなたたの育った環境が影響しているかもしれない。今までの経験からかもしれない。

 

ただ確実に言えることは、人は「否定」することが苦手な生き物だということです。

 

たまには、疑って世の中を見てみるのも楽しいかもしれないですね。

 

読んでくれてありがとうございました。