あまねの心理師への挑戦

現在放送大学で心理学を学んでいます。 メンタル心理カウンセラー取得。上級心理カウンセラー取得。

脳とパソコン。

あまねです。

 

無事に2学期のテストを終えることが出来ました!

無事?無事・・・。ということにしておきましょう(笑)

 

今回は特に

 ■生理心理学

 ■比較認知科学

の2科目が最重要でした。

この2科目の単位が取れれば、認定心理士を申し込むことができるのです。

認定心理士は、心理士の卵の印。

資格ではありませんが、一通り必要な心理学の勉強を済ませましたよ。

っていう、通過点の印です。

私はこれを目標に、勉強をしてきました。

 

が。次なる目標は「公認心理師」です。

目標は大きくもとう!という気持ちです。

実際になれるかどうかは別にして、今まで以上に気を引き締めて

お勉強を頑張ろうと思います。

 ■人体の構造と機能

 ■疾病の成立と回復促進

 ■知覚・認知心理学

を、そのために受検しました。

上2つは、看護系のお勉強です。

心理学では主に首から上のことしかお勉強しないので、

首から下の未知なる世界を勉強しました。

結果は・・・どうなることやらです(笑)

 

心理学は首から上の学問?

というのも、心理学で扱うほとんどが「脳」です。

視覚・聴覚といった感覚も大切ですが、全ての情報を処理しているのが

脳なんです。だから、脳の勉強が必然的に多いのです。

とはいうものの、脳についてわかっていることはほんの少しです。

実際に生きた人の脳で実験が出来るわけではないので、なかなか

研究・解明ができないという側面もあります。

脳に何らかの損傷を受けた方の協力なくして発展できない領域なんですね。

プライバシー厳守で、患者さんのお名前は伏せてありますが、イニシャルや愛称で

論文に記載される例がほとんどです。本当にありがとうございます。

 

パソコンは脳の解明のために発明された?

実際に人間の脳で研究が出来ないのなら、人間の脳に似せたものを作って研究をしよう!

という発想で開発されたのが、今のパソコンです。

当初は簡単な演算機能しかできない割に、一部屋使っちゃうくらいの巨大な機械だったそうです。

今、片手で簡単に操作できるスマホも、実は脳の研究から派生した産物だったんですね。

パソコンを使って何を研究したかったのかというと、人間の「記憶」についてです。

 

どうやって記憶して、どうやってそれを忘れないようにしているのか。

どうして忘れてしまうことがあるのか。

 

この疑問を実験で検証したかったのです。

以前も書きましたが、心理学では「信頼性」と「妥当性」が必要です。

想像や推測で語ることが出来ないのです。

信頼性と妥当性を裏付けるための「データ」が必要になってきます。

そのデータは数値化され、グラフ化されます。

目に見えない脳の動きを、目に見える形にすることが研究を進めていく上で

とても大切なことなんですね。

それは、「いつ」「どこで」「誰が」同じ実験をしても、ぶれない研究結果が必要だからです。人によってやり方が違ってしまったら、そして結果が異なってしまったら。

信頼性がなくなってしまいますよね。その実験自体無意味なものになってしまうのです。

 

脳の記憶の仕組みをパソコンで解説

というわけで。前置きが長くなりましたが、脳の記憶の仕組みについてさらっと解説します。出来るだけ専門用語を使わずに頑張って書いてみますので、どうぞ読んでください。

 

①短期記憶

短期記憶というのは、脳の海馬というところに一時的に補間されるごく短時間の記憶のことです。すぐに忘れてしまいます。

ある研究では、だいたい7つくらいしか覚えて置けないという研究結果もあります。

例えば、朝通勤や通学のために家を出ます。目的地にたどり着くまでのことは覚えていますよね。歩いて駅まで行って、電車に乗って駅で降りて歩いて・・・という風に。

ただ、その間の記憶はどうでしょう?すれ違った人。同じ車両に乗った人。ぶつかりそうになった人。隣の人の会話の内容。全部覚えていますか?

覚えていないですよね。そんなに事細かく覚えていたら大変です。疲れちゃいます。

パソコンで例えるのなら、ブラウザーで何かを調べた時、保存せずにブラウザーを閉じてしまう。そんな感じです。ブラウザーを開いているうちは覚えているけど、閉じてしまうと忘れてしまう。脳内に保存していない記憶です。

 

脳の中では、記憶に保存するかしないかを仕分ける作業が常に行われています。

不要なものは消去して、必要なものだけ保存するのです。

脳の容量も無限大ではないので、不要なものは自分の意志に関わらず無意識に消去という作業を行っているのです。

 

②長期記憶

長期記憶は、短期記憶から選ばれし記憶だけがたどり着ける、いわゆる記憶のエリート集団です。長期記憶はその名の通り、長く記憶に残ります。パソコンでいうと、ハードディスクに保存された状態です。

短期記憶を長期記憶にしたいとき、有効的な方法が「忘れる前に思い出す」ことです。

短期記憶は数秒から持っても数日の短い記憶です。繰り返し思い出すことにより、脳は「これは大切な記憶」と判断して、長期記憶に保存してくれます。

暗記科目のお勉強で繰り返すことは、記憶の定着に繋がり、忘れにくくなります。

 

③ゴミ箱

パソコンのごみ箱機能です。

短期記憶から消去された記憶(長期記憶になれなかった記憶)でも、完全に消去されるわけではありません。パソコンのごみ箱機能のように、一度消去された記憶でも、復活するときがあるのです。

その一例が「フラッシュバック」です。

なにかの拍子で、ごみ箱から取り出されて、一気に長期記憶に移動してしまう記憶です。

フラッシュバックについては、今回はお話しませんが、脳の恐るべき底力というか、

どこにどう記憶が残っているのかわからないものですね。

まだまだ解明されていないです。

 

覚えてるのに思い出せない理由

喉まで出かかってるのに!知ってるはずなのに!

と、思い出せなくてイライラしたことはありませんか?

記憶は、記憶と記憶がつながってできています。

個別に保存されているわけではなく、カテゴリー別に関連をもった記憶通しがつながって記憶のネットワークを作っています。

そのカテゴリー別の分類の作業の時に、きちんと整理整頓されていないと、

なかなか思い出せない、別の関係のないことを思い出してしまう。という現象が起きます。

覚える時にもカテゴリー別に覚えていくのが、効率が良いというわけです。

パソコンに例えると、データをフォルダー別に仕分けているか?ということです。

細かくフォルダー分けしてあれば、必要なデータはすぐに見つけられます。

適当に突っ込んでしまったり、名前をきちんと付けないで保存してしまったデータは、探すのにも時間がかかります。

それと同じことが脳の中でも起こっているのです。

 

そんなこと言っても、どうやって整理するんだよ!って言われそうですね。

その整理を行っているのが、私たちが眠っている間です。

眠っている間、外界の刺激が少ない時、脳の中で集中して仕分け作業が行われるのです。

徹夜して試験を受けるより、ちゃんと寝た方が成績が良いっていうお話は、ここからきています。記憶の定着・思い出しやすくするためにも、睡眠は大切だということです。

 

ポジティブよりもネガティブな脳

これもよく聞くお話です。

子供のころの楽しい思い出は覚えていないけど、嫌な記憶は覚えてる。

そうなんです。脳は基本ネガティブなんです。って私は考えています。

人間の記憶が定着し始めるのが、大体3~4歳くらいだそうです。

なので、それ以前の記憶はなかなか思い出せないものです。

逆に3~4歳くらいからは、長期記憶が使えるようになるため、この頃の記憶に残っている出来事が、大切な忘れてはならない記憶ということになります。

って、言いたいのですが。そうではないんです。

 

できたてほやほやの脳の中でまず一番に記憶にとどめておかなければならないのは、楽しかった記憶ではないのです。生きていくために必要な「危険からの回避」のための記憶です。

それは、転んでけがをしたというものから、お友達とけんかをして悲しい思いをした。というような、経験から学ぶ学習もあります。

 

また、親から叱られたことに対する記憶も残ります。

 ■いたずらをしたら叱られた

 ■乱暴に扱っておもちゃを壊して叱られた

このように、叱られたことと叱られた理由がはっきりしている学習は、

子供も覚えやすい学習になります

逆に

 ■買ってほしいお菓子をおねだりしたら叱られた

 ■テレビを見ていたら叱られた

という風に、叱られたことと叱られた理由が子供の中で結びつかない場合の記憶は

「???」と残ってしまいます。

そして、理由は分からないけど、お菓子をおねだりしたら怒られるんだな

という風に、子供の中で理解できないまま残ります。

理解できないことは考えます。答えを出そうと考えます。

考えることで、短期記憶から長期記憶に定着します。

「???」フォルダーにしまわれることになります。

それは、お菓子を見るたびに、お店のお菓子売り場を見るたびに思い出します。

 

それとは別にポジティブな記憶です。

子供の喜ぶ顔が見たくて親はあちこちお出かけに連れて行ってくれます。

でも、数年後に「前行ったときのこと覚えてる?」と聞くと、子供は「なんとなく覚えてる」とか「前も来たことあるの?」と、親の望んでいた答えをしてくれません。

これは、悲しいことではないのです。子供の容量の少ない記憶の中で、「家族」「楽しかったこと」というフォルダーにきちんと分類されている証拠です。

「家族」「楽しかったこと」フォルダーの中では、近所の公園で遊んだことも、海外旅行をしたことも、同じ「家族」で「楽しかった」思い出なのです。

大人のように、きちんとデータ管理が出来ないので、データ同士が合体してしまったり、上書きされてしまったり、まぜこぜになってしまっているだけです。

「家族」「楽しかった」と記憶がつながっていれば、それは思い出せなくても楽しかった思い出なのです。言葉で伝えられなくても、感覚は覚えている場合もあるので、

例えば遊園地で前回と同じ乗り物を乗ったとき「あれ?これ知ってるかも?」って断片的に思い出す可能性もあります。

成長過程で見られる発達段階ですので、がっかりしないようにしてくださいね。誰もが通る道です。思い出は、忘れないように、写真や動画でも保存しておきましょう。

 

まとめ

今回は脳の短期記憶と長期記憶をパソコンに例えてお話しました。

そして、思い出せない記憶についても、少しお話しました。

実は私の一番苦手な部分でもあったりします(笑)

 

本当。脳って繊細なんだかでたらめなんだか。

 

 

読んでくれてありがとうございました。